離婚して2年。
日々の生活はすっかり変わり、もう元夫と直接連絡を取ることもほとんどありません。
元夫の存在を「過去のこと」として扱えるようにはなってきたけれど、
それでも時折、ふと心の奥にひっかかることがあります。
もし、元夫に何かあったら——私はどうするのだろう?
まだ現実感はないけれど、
これから先、そういう出来事に向き合う日が来るかもしれない。
子どもがいる以上、「全くの他人」だとは思えない自分もいる。
この記事では、元夫にもしものことがあったとき、離婚した立場としてどう向き合えばいいのかを、感情面・現実面の両方から考えてみたいと思います。
離婚しても、元夫の死は“他人ごと”ではない
法的には他人。戸籍上も家族ではない。
でも、長年夫婦として過ごした時間があった以上、
「他人」として割り切れない気持ちがあるのもまた事実です。
結婚生活がどんな形だったかにもよるけれど、
そこにあった感情や思い出まで、きれいさっぱりなくなるわけではありません。
そして何よりも——
子どもがいる場合、「元夫」は“子どもの父親”として生き続けます。
もし子どもが訃報を受けて悲しんでいたら、
「私にはもう関係ない」とは、とても言えない。
そう感じる方は、きっと少なくないと思うのです。
訃報を聞いたときの感情——戸惑い、動揺、そして迷い
「元夫が亡くなったら、どうする?」
想像してみると、まず最初に浮かぶのは悲しみではなく、戸惑いや動揺かもしれません。
まだ若いのだから…と、どこかで“そんなことはまだ先のこと”と感じていた。
でも、訃報はいつも突然で、心の準備ができていないまま訪れます。
悲しむより先に、「どうすれば?」という問いがやってくる
・参列するべき?
・連絡すべき?
・子どもを支える立場として動くべき?
・でも、もう関係ないよね…?
そういった問いが、頭の中をぐるぐると巡るかもしれません。
「自分はもう他人なのだから」と思いたくても、かつて心を通わせた相手の死は、そう簡単には割り切れないもの。
しかもそれが、子どもの“父親”であれば、なおさらです。
「後悔したくない」と「これ以上関わりたくない」がせめぎ合う
心の中ではきっと、ふたつの感情がせめぎ合うのだと思います。
「ちゃんと見送らなかったら、あとで後悔するかもしれない」
「でも、もう関わりたくない。会いたくない人もいる」
どちらが正しいとか、間違っているとかではありません。
どちらも本音であり、どちらにも理由があります。
だからこそ、簡単に決められなくて当然なのです。
子どもがいる場合、対応を一緒に考える必要もある
もし子どもがまだ未成年だったり、葬儀のことで頼られそうな年齢であれば、
「親として」動く場面が出てくる可能性もあります。
逆に子どもが成人していても、精神的な支えとして「一緒に考えてほしい」と
求められるかもしれません。
そのとき、自分の気持ちと子どもの気持ち——
どちらにも耳を傾けながら、一緒に“どう向き合うか”を決めていく姿勢が大切なのだと思います。
葬儀に行くべき?香典だけ?〜元夫の死に向き合う対応パターン〜

元夫に不幸があったとき、どう振る舞うべきか。
それは「関係の深さ」や「子どもとの関係性」によっても、大きく変わってきます。
ここでは、いくつかのケースに分けて考えてみましょう。
子どもが喪主または遺族対応する場合
もし子どもが喪主になる、または遺族として参列している立場であれば、
元妻であるあなたが葬儀に顔を出すことは、比較的自然な流れになることが多いです。
とくに子どもがまだ若い場合、喪主としての手続きや会葬者への対応に不安を感じていることもあります。
「母として一緒に寄り添う」というスタンスで参列することで、子どもにとって大きな支えになることもあるでしょう。
一方で、子どもとの関係や、葬儀の場に集まる元夫の親族との関係によっては、
「来ないでほしい」と言われることもあります。
その場合は、無理に出向くのではなく、香典やお悔やみの言葉を預けるという方法も検討できます。
子どもがいない、または成人して独立している場合
子どもがすでに成人し独立している場合、
葬儀の参列者として「元妻」が含まれるかどうかは、非常にグレーな位置づけになります。
この場合は「完全に他人」として扱われる可能性もあるため、
まずは子どもや元夫の親族の意向を確認したうえで、慎重に判断するのが望ましいです。
それでも気持ちの整理として何かをしたい場合には、
・香典だけを子どもに預ける
・お悔やみの手紙を添える
・家で静かに手を合わせる
といった方法で、形式にこだわらず自分なりの“けじめ”をつけることも選択肢の一つです。
現実的に関わるべき場面がある場合も
元夫に不幸があったとき、「気持ちの整理」だけで済めばいいのですが、場合によっては現実的な手続きや責任が発生することもあります。
遺産・相続・手続きで連絡が来ることもある?
たとえば次のようなケースでは、元妻であるあなたにも何らかの関与を求められる可能性があります。
- 子どもが未成年の場合
→ 親権者として、相続手続きや財産管理の場面で関わる必要が出てくる - 元夫に借金や連帯保証があった場合
→ 子どもが相続するかどうかの判断(相続放棄など)に立ち会う可能性がある - 保険金の受取人が子どもである場合
→ 手続きの補佐や、証明書類の提供を求められることもある
直接的な相続人ではなくても、親としての責任が間接的に及ぶケースは想定されます。
子どもの心のケアも考えて
そして何より大切なのは、子どもの心のケアです。
年齢に関係なく、親の死は心に大きな影響を与えます。
たとえ子どもが「大丈夫」と言っていても、
・急に口数が減った
・不眠や食欲低下が見られる
・感情が不安定になる
といった様子が見られたら、そっと寄り添い、必要があれば心の専門家につなぐことも大切です。
元夫とは関係を絶っていても、「子どもの親」としての自分の役割を果たすことは、後悔しないための一歩になるはずです。
まとめ|迷って当然。でも「自分が納得できる行動」を選べばいい
元夫に不幸があったとき、自分はどうすればいいのか。
離婚している以上、誰もが一度は立ち止まる問いかもしれません。
「行ったほうがいいのか」「香典だけでいいのか」「何もしないという選択もあるのか」
その答えは人によって違って当然で、正解はありません。
私自身、まだそんなことは起こらないだろうと思いながらも、
ふと「もし万が一のことがあったら…」と考えることがあります。
相手の家での自分の立場は、もう“赤の他人”。
その親族の集まりに顔を出すことを想像すると、軽い恐怖さえ覚えるのが正直なところです。
でも、長く一緒に暮らした相手だからこそ、
「きちんとお別れしたい」と思う気持ちも、自然に湧いてくると思うのです。
それでも私は——おそらく、その場には行けないだろうな、とも感じています。
だからこそ、「そのときどうするか」ではなく、
「そのとき自分がどう感じるか」に正直でいること。
そして、あとから振り返ったときに「私はこれでよかった」と思える選択をすることが、大切なのだと思います。
離婚後の関係性は、人それぞれ。
いざという時、この記事を思い出して「こんな考え方もあるんだ」と
そっと参考にしていただけたら、うれしいです。
「元義父母に不幸があった場合の対応はこちらの記事でも詳しく書いています。」
👉 離婚後、元義父母に不幸があったらどうする?香典・参列・気持ちの整理まで